中納言行平
ちゅうなごんゆきひら
立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる
まつとし聞かば 今帰り来む
歌意
お別れして因幡の国へ行ってしまっても、因幡の山の峰に生えている松のように、あなたが待っていると聞いたなら、すぐに帰ってきましょう。
超現代語訳
転勤でお別れだけど、もし君が「待ってる」って言ってくれたら、ソッコーで飛んで帰ってくるよ? 因幡の松みたいにずっと待っててくれるなら、距離とか関係ないから!
決まり字
たち
文法解説
【二句切れ】「いなば」は因幡国(鳥取県)と「往なば(行ってしまったら)」の掛詞。「まつ」は松の木と「待つ」の掛詞。「とし」は疾し(早い)の意。
掛詞
「いなば」(因幡・往なば)、「まつ」(松・待つ)
補足解説
在原行平が因幡守として赴任する際の別れの歌。ダジャレ(掛詞)を駆使しつつ、「あなたが待っていてくれるならすぐ戻る」という未練と愛情を詠む。