権中納言定家
ごんちゅうなごんていか
来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに
焼くや藻塩の 身もこがれつつ
歌意
待っても来ない人を待っている私は、松帆の浦の夕なぎの時に焼いている藻塩のように、身も焦がれるばかりに恋い焦がれています。
超現代語訳
待っても来ないし! 私の心、塩焼きしてるみたいにジリジリ焦げてるんですけど。このままじゃ炭になっちゃうよ? 早く来て火消してよ!
決まり字
こぬ
文法解説
【三句切れ】「来ぬ人」は来ない人。「松帆の浦」は淡路島の名所。「まつ」は「待つ」との掛詞。「藻塩」は海藻を焼いて作る塩。
掛詞
「まつ」(松・待つ)
補足解説
権中納言定家(藤原定家)。『小倉百人一首』の撰者。藻塩を焼く煙と恋焦がれる身を重ねた。本歌取り(万葉集)を用いた技巧的で情熱的な恋歌。