助詞・係り結び
係助詞と結びの関係を理解して
歌の意味を正確に読み取る
係り結びとは
係り結びとは、係助詞(ぞ・なむ・や・か・こそ)が文中にあると、文末の活用語が特定の活用形になる法則です。
係助詞は文の一部を強調したり、疑問・反語を表したりする働きがあります。
係り結びの法則
連体形で結ぶ係助詞
「ぞ」「なむ」「や」「か」は、文末を連体形で結びます。
- ぞ:強調「〜だ(のだ)」
- なむ:強調(「ぞ」より柔らかい)
- や:疑問・反語「〜か」「〜だろうか(いや〜ない)」
- か:疑問・反語「〜か」
已然形で結ぶ係助詞
「こそ」は、文末を已然形で結びます。
- こそ:強調(最も強い強調)「〜こそ〜だ」
百人一首での用例
強調の「ぞ」
第16番・中納言行平
立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む
「まつとぞ聞かば」→ 結びは連体形
訳:待っていると(聞いたなら)
強調の「こそ」
第77番・崇徳院
瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ
「あはむとぞ思ふ」→ 結びは連体形「思ふ」
訳:きっと逢おうと思う(のだ)
第81番・後徳大寺左大臣
ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば ただ有明の 月ぞ残れる
「月ぞ残れる」→ 結びは連体形「残れる」
訳:月だけが残っている
疑問・反語の「や」
第46番・曾禰好忠
由良の門を 渡る舟人 かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋の道かな
※この歌では「や」は使われていませんが、疑問・反語の「や」は連体形で結びます。
係り結びの崩れ
係り結びの崩れとは
係助詞があるのに、文末が本来の活用形で結ばれないことがあります。これを係り結びの崩れといいます。
主な原因:
- 文末の省略:結びの語が省略されている
- 倒置:語順が入れ替わっている
- 挿入句:係助詞と結びの間に別の文が入る
その他の重要な助詞
格助詞「の」
主格・連体修飾など多様な用法
接続助詞「ば」
未然形+ば(仮定)、已然形+ば(確定)
終助詞「かな」
詠嘆「〜だなあ」
終助詞「らむ」
現在推量「〜ているだろう」