動詞・助動詞
活用の種類と助動詞の識別をマスターして
正確に歌を読み解く
動詞の活用の種類
古文の動詞には、以下の活用の種類があります:
- 四段活用:最も多い。「書く」「立つ」など
- 上二段活用:「起く」「落つ」など
- 下二段活用:「受く」「出づ」など
- 上一段活用:「見る」「着る」「似る」など(少数)
- 下一段活用:「蹴る」のみ
- カ行変格活用:「来」のみ
- サ行変格活用:「す」「おはす」
- ナ行変格活用:「死ぬ」「往ぬ」
- ラ行変格活用:「あり」「をり」「はべり」「いまそかり」
受験で重要な助動詞
助動詞「ぬ」の識別
「ぬ」には完了と打消の2つの意味があります。接続で見分けます。
完了の「ぬ」
接続:連用形に接続
意味:〜てしまった、〜た
活用:ナ変型(な・に・ぬ・ぬる・ぬれ・ね)
例:「散りぬ」= 散ってしまった
打消「ず」の連体形「ぬ」
接続:未然形に接続
意味:〜ない
活用:特殊型(ず・ず・ず・ぬ・ね・○)
例:「見ぬ」= 見ない
見分け方のポイント:
「ぬ」の直前の語が連用形なら完了、未然形なら打消です。
例:「散りぬ」→「散り」は連用形 → 完了
「見ぬ」→「見」は未然形 → 打消
助動詞「なり」の識別
断定の「なり」
接続:体言・連体形に接続
意味:〜である、〜だ
例:「春なり」= 春である
伝聞推定の「なり」
接続:終止形に接続
意味:〜そうだ、〜らしい
例:「咲くなり」= 咲くそうだ
助動詞「けり」
接続:連用形に接続
意味:
- 過去:〜た(伝聞・間接的な過去)
- 詠嘆:〜だなあ(和歌で多用)
例:「散りけり」= 散った(ことだ)、散ったなあ
第6番・中納言家持
かささぎの 渡せる橋に おく霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにける
「更けにける」= 更けたことだなあ(詠嘆)
※「に」は完了の「ぬ」の連用形、「ける」は「けり」の連体形
助動詞「む」
接続:未然形に接続
意味:
- 推量:〜だろう
- 意志:〜しよう
- 勧誘:〜しませんか
- 仮定:〜としたら
- 婉曲:〜ような
助動詞「らむ」
接続:終止形に接続
意味:(今頃)〜しているだろう(現在推量)
「む」が未来の推量であるのに対し、「らむ」は現在の推量を表します。目に見えない現在の状況を推し量るときに使います。
第4番・山部赤人
田子の浦に うち出でて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ
※この歌には「らむ」はありませんが、「らむ」は百人一首でも多用される助動詞です。
助動詞の接続一覧
未然形に接続
る・らる(受身・尊敬・自発・可能)、す・さす(使役・尊敬)、
ず(打消)、む・むず(推量・意志)、じ(打消推量)、まし(反実仮想)、まほし(願望)
連用形に接続
き・けり(過去)、つ・ぬ(完了・強意)、たり(完了・存続)、
たし・まほし(願望)、けむ(過去推量)
終止形に接続
らむ(現在推量)、めり(推定)、らし(推定)、べし(推量・当然・命令・可能・意志・適当)、
なり(伝聞推定)、まじ(打消推量・打消意志)
連体形・体言に接続
なり・たり(断定)、ごとし(比況)