河原左大臣
かわらのさだいじん
陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに
乱れそめにし われならなくに
歌意
陸奥の信夫文字摺りの模様のように、私の心は乱れてしまった。誰のせいでこうなったと思っているの? 私のせいではないのに(あなたのせいですよ)。
超現代語訳
私の心がこんなに乱れまくってるの、全部お前のせいだからな? 責任取れよ? 好きすぎておかしくなりそうなんだけど、マジでどうしてくれるわけ?
決まり字
みち
文法解説
【三句切れ】「陸奥」は東北地方。「しのぶもぢずり」は乱れ模様の染め物。「しのぶ」には「忍ぶ」が掛かる。「乱れそめにし」は「初めに」と「染め」が掛かる。
掛詞
「しのぶ」(地名の信夫・忍ぶ)、「そめ」(初め・染め)
補足解説
源融(河原左大臣)は光源氏のモデルとも言われる。複雑な模様の布地のように、私の心も乱れてしまったという情熱的な恋歌。序詞が効果的。