皇太后宮大夫俊成
こうたいごうぐうのだいぶしゅんぜい
世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る
山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる
歌意
この世の中には、つらさから逃れる道はないのだなあ。(逃れようとして)分け入った山の奥でも、悲しげに鹿が鳴いているのが聞こえる。
超現代語訳
世間が嫌で山奥に引きこもったのに、ここでも鹿が超悲しい声で鳴いてるし。どこ行っても悲しみからは逃げられないってこと? つらたん。
決まり字
よのなかよ
文法解説
【二句切れ】「世の中よ」は呼びかけ。「道こそなけれ」は逃れる道はない(係り結び)。「鳴くなる」は鳴いているのが聞こえる。
掛詞
なし
補足解説
皇太后宮大夫俊成(藤原俊成)。定家の父。世を捨てて山に入っても鹿の悲しい声が聞こえる。悲しみからはどこへ行っても逃げられないという無常観。