第9首

小野小町

おののこまち
小野小町の歌

花の色は うつりにけりな いたづらに

わが身世にふる ながめせしまに

桜の花の色はすっかりあせてしまった。むなしく私が恋や世間での暮らしに思い悩み、ぼんやりと長雨を眺めている間に。

超現代語訳

桜も散っちゃったし、私の美貌もそろそろ賞味期限切れかな…。恋だの愛だの悩んでる間に、時間だけが過ぎていくの残酷すぎない? 雨の日は特に病むわ。

はなの

【二句切れ】「うつりにけりな」の「に」は完了、「けり」は詠嘆。「ふる」は「降る」と「経る」の掛詞。「ながめ」は「長雨」と「眺め」の掛詞。
「ふる」(降る・経る)、「ながめ」(長雨・眺め)
小野小町は絶世の美女とされる六歌仙の一人。桜の儚さと自身の容色の衰えを重ね合わせ、長雨のアンニュイな雰囲気の中で詠んだ名歌。