二条院讃岐
にじょういんのさぬき
わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の
人こそ知らね 乾く間もなし
歌意
私の袖は、引き潮の時でも海中に隠れて見えない沖の石のように、人は知らないだろうけれど、涙で濡れて乾く間もありません。
超現代語訳
私が泣いてるなんて誰も知らないでしょ? 海の底の石みたいに、ずっと涙に沈んでるから。表面上は笑ってるけど、袖はずっと湿ってるんだよ。
決まり字
わがそ
文法解説
【句切れなし】「わが袖は」で始まり「乾く間もなし」で終わる。「潮干」は引き潮。「石」に「人こそ知らね(人は知らないが)」がかかる。
掛詞
なし
補足解説
二条院讃岐。海中の石が常に濡れているように、私も常に泣いている。誰も気づかないけれど、という隠れた悲しみを石に託した歌。