素性法師
そせいほうし
今来むと いひしばかりに 長月の
有明の月を 待ち出でつるかな
歌意
あなたが「すぐに行く」と言ったから待っていたのに、とうとう九月の有明の月が出る夜明けまで待ってしまったことですよ。
超現代語訳
「すぐ行く」って言ったじゃん! 信じて待ってたらもう朝なんですけど? 月出ちゃってるし。来る気ないなら期待させないでよ、寝不足で肌荒れるわ。
決まり字
いまこ
文法解説
【二句切れ】「こむ」の「む」は意志の助動詞。「いひし」は過去の助動詞「き」の連体形。「待ち出でつるかな」の「つる」は完了、「かな」は詠嘆。
掛詞
「有明の月」(月)と「明く」(夜が明ける)の縁語的ニュアンス
補足解説
素性法師による恋歌。待つ側の切ない心情を、有明の月(夜明けまで残る月)に託して詠んでいる。平安時代の「待つ恋」の典型。