三条右大臣
さんじょううだいじん
名にし負はば 逢坂山の さねかづら
人に知られで くるよしもがな
歌意
恋しい人に逢えるという名を持つ逢坂山のさねかずらのように、人に知られないでこっそりあなたのところへ行く方法があったらいいのになあ。
超現代語訳
「逢坂山」って名前、期待していいの? さねかずらの蔓(つる)みたいに、誰にもバレずに君の部屋まで辿り着ける秘密ルート、どこかにないかなぁ…。
決まり字
なにし
文法解説
【初句切れ】「名にし負はば」は「〜という名を持っているならば」。「くるよし」の「よし」は「由(方法・手段)」。「もがな」は願望の終助詞。
掛詞
「逢坂山」と「逢ふ」、「くる」と「繰る(手繰り寄せる)」・「来る」
補足解説
三条右大臣(藤原定方)。「さねかづら」はつる草。つるを手繰り寄せるように、あなたのもとへ行く手段が欲しいと願う、忍ぶ恋の歌。