中納言朝忠
ちゅうなごんあさただ
逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに
人をも身をも 恨みざらまし
歌意
もし逢うことが絶対にないものならば、かえってあの人のつれなさも、我が身の運命も恨んだりしないでしょうに。
超現代語訳
いっそ最初から出会わなければよかった。そうすれば君を恨むことも、自分を惨めに思うこともなかったのに。中途半端に期待させるのが一番残酷だよ。
決まり字
あふ
文法解説
【二句切れ】「逢ふこと」は逢瀬。「絶えてしなくは」は「全くなかったならば」。「なかなかに」は「かえって」。
掛詞
なし
補足解説
中納言朝忠。一度知ってしまった喜びがあるからこそ、今の苦しみがある。「いっそ出会わなければよかった」という究極の恋の嘆き。