藤原実方朝臣
ふじわらのさねかたあそん
かくとだに えやはいぶきの さしも草
さしも知らじな 燃ゆる思ひを
歌意
これほどまでにお慕いしていると、あなたに言うことができようか、いやできない。(伊吹山のさしも草のように)これほど燃える思いを、あなたは知らないでしょうね。
超現代語訳
好きすぎて言えない! 伊吹山の燃える草じゃないけど、私のハートもこんなに燃えてるのに。鈍感な君は絶対気づいてないよね。気づいてよバカ!
決まり字
かく
文法解説
【二句切れ】「かくとだに」は「これほどまでに(愛している)とさえ」。「えやは」は反語(言えようか、言えない)。「さしも草」はヨモギの一種。
掛詞
「いぶき」(伊吹山・言ふ)、「さしも」(さしも草・あんなにも)、「燃ゆる」(燃える・思いが燃える)
補足解説
藤原実方朝臣。掛詞を多用した技巧的な歌。言いたくても言えない燃えるような思いを、伊吹山の薬草と火に掛けて表現している。