祐子内親王家紀伊
ゆうしないしんのうけきい
音にきく たかしの浜の あだ波は
かけじや袖の ぬれもこそすれ
歌意
噂に高い高師の浜の、いたずらに立つ波のような浮気なあなたのお言葉には、決して心をかけませんよ。後で涙で袖を濡らすことになっては大変ですから。
超現代語訳
あんたがチャラいって噂は聞いてんの。波みたいに寄せてきても乗らないよ? どうせ遊ばれて泣くの私じゃん。火遊びに付き合うほど暇じゃないんで。
決まり字
おと
文法解説
【三句切れ】「音にきく」は噂に高い。「あだ波」は高い波と浮気心の象徴。「かけじ」の「じ」は打消意志(かけないつもりだ)。
掛詞
「立つ」(波が立つ・噂が立つ)、「かける」(波を被る・心を掛ける)
補足解説
祐子内親王家紀伊。浮気者と評判の男性のアプローチに対して、「波(涙)で袖を濡らすのは嫌です」とはっきりと拒絶した歌。