殷富門院大輔
いんぷもんいんのたいふ
平安後期 女性歌人
経歴・人物紹介
平安時代後期の女流歌人で、三十六歌仙の一人。後白河天皇の皇女・殷富門院亮子内親王に仕えた女房。源頼政の娘とも言われる。
千載和歌集以下の勅撰集に70首以上が収められており、恋の歌に秀でた平安後期の女流歌人の一人。新古今時代へ向かう歌壇の変革期に活躍した。
この歌人の百人一首
エピソード・豆知識
「見せばやな 雄島の海人の 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色は変はらず」の歌は、あなたに見せたい、雄島の漁師の袖でさえ濡れに濡れても(潮に)色は変わらないのに、私の(涙に)濡れた袖の色(心)は変わってしまったと詠んだ恋の歌。
雄島は宮城県松島湾に浮かぶ島で、漁師の袖(着物の袖が潮で濡れても塩の白さで変色しない)という情景が実感を持って詠まれている。平安末期の動乱期に生きた女性歌人の、変わらない恋心と変わってしまった状況との対比が胸に迫る。