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前大僧正慈円

さきのだいそうじょうじえん

鎌倉 男性歌人
前大僧正慈円の絵札

経歴・人物紹介

平安時代末期から鎌倉時代初期の僧侶・歌人・歴史家。摂政・藤原忠通の子で、兄は九条兼実。天台座主を四度務めた仏教界の最高指導者。

歴史書「愚管抄」の著者として知られ、道理(歴史の法則)による歴史解釈を試みた先駆的な歴史家でもある。新古今和歌集に92首が収められた新古今時代屈指の歌人。

この歌人の百人一首

095

おほけなく うき世の民に おほふかな

わがたつそまに 墨染の袖

身の程知らずなことだと思いますが、このつらい世の中を生きる人々の全体を包み込んであげたいのです。(比叡山に住み始めた)私の墨染の袖で。

決まり字: おほけ

エピソード・豆知識

「おほけなく うき世の民に おほふかな わが立つ杣に 墨染の袖」の歌は、身のほどもわきまえず、この憂き世の民を(仏の教えで)覆おうとしている、私の立つ比叡山の墨染の袖(法衣)で、と詠んだ歌。宗教者としての使命感が素直に表れた一首。

「愚管抄」は承久の乱直前に著されたとされ、後鳥羽上皇の倒幕計画に危機感を持った慈円が乱を未然に防ごうとしたとも言われる。歌人・宗教者・歴史家の三つの顔を持つ稀有な人物で、中世文化の転換期を生きた。

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