恵慶法師
えぎょうほうし
平安中期 男性歌人
経歴・人物紹介
平安時代中期の僧侶・歌人。詳しい生涯は不明だが、宮廷の歌合に参加した記録があり、当時の歌壇に一定の地位を持っていたと考えられる。
後撰和歌集以下の勅撰集に35首が収められており、自然の情景を詠む叙景歌に優れた才能を持っていた。特に秋から冬の淡い情景を詠んだ歌に秀作が多い。
この歌人の百人一首
エピソード・豆知識
「八重葎 しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり」の歌は、葛の葉が生い茂る荒れた宿のさびしさ。誰も来ないが秋だけはやってきたと詠んだ叙景歌。人の訪れのない荒廃した宿と秋の訪れを対比させた。
僧侶でありながら宮廷の歌合に参加するスタイルは、平安中期の仏教文化と宮廷文化の融合を示すものだった。恵慶法師の歌は、山家(山の中の住居)や自然の孤独な美しさを詠む傾向があり、後の隠者文学の先駆けとも言える。