能因法師
のういんほうし
平安中期 男性歌人
経歴・人物紹介
平安時代中期の僧侶・歌人で、三十六歌仙の一人。元は橘永愷という貴族だったが出家し、能因と号した。「歌枕」の研究家・実践者として、歌に詠まれた名所を実際に訪れることを重んじた。
後拾遺和歌集以下の勅撰集に100首以上が収められる。特に陸奥(東北地方)への旅を重ね、白河の関など各地の歌枕を詠んだ旅の歌に名作が多い。
この歌人の百人一首
エピソード・豆知識
「嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 龍田の川の 錦なりけり」の歌は、三室山(奈良県)の紅葉が嵐に吹かれて龍田川に舞い落ち、川面を錦のように彩っている情景を詠んだ壮大な叙景歌。
能因は陸奥に下って白河の関を詠んだと伝えるが、実は都にいながらこもって日焼けして「旅帰り」を装ったとも言われる。その真偽はともかく、歌枕への強いこだわりが能因の歌風の特色を形作った。