初心者におすすめの10首
百人一首を始めるなら、まずこの10首から。
有名で覚えやすい歌を厳選しました
この10首を選んだ理由
以下の基準で、初心者が最初に覚えるのにふさわしい10首を選びました。
- 知名度が高い — 教科書や漫画などで一度は見聞きしたことがある歌
- 意味が分かりやすい — 現代語に訳しても情景や感情が伝わる歌
- リズムが印象的 — 音の響きが美しく、覚えやすい歌
- 一字決まりを含む — 競技かるたでも重要な一字決まりの歌を3首収録
おすすめ10首
1首目:第1番 天智天皇
秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ
わが衣手は 露にぬれつつ
意味:秋の田の仮小屋の屋根の目が粗いので、私の袖は露に濡れ続けている。
選んだ理由:百人一首の最初の歌。天智天皇の歌で、秋の田の番小屋の情景を詠んだシンプルで分かりやすい一首です。
覚え方のコツ:「秋の田」→「かりほ(仮の庵)」→「衣手は露に濡れつつ」と、田んぼの秋の夜の情景をイメージしましょう。
2首目:第17番 在原業平朝臣
ちはやぶる 神代もきかず 竜田川
からくれなゐに 水くくるとは
意味:不思議なことが多かった神様の時代でさえ聞いたことがない。竜田川が紅葉で真っ赤に染め上げられているなんて。
選んだ理由:「ちはやぶる」は漫画・アニメのタイトルとしても有名。力強い響きが印象的な一首です。
覚え方のコツ:「ちはやぶる→神代も聞かず→竜田川」と、超自然的な紅葉の美しさを思い浮かべましょう。
3首目:第77番 崇徳院
瀬を早み 岩にせかるる 滝川の
われても末に 逢はむとぞ思ふ
意味:川の流れが速いので、岩にせき止められた急流が一度2つに分かれても、また1つになるように、私たちも今は離れ離れでも、将来は必ず一緒になろうと思う。
選んだ理由:「瀬をはやみ」で始まる恋の歌。一字決まり「せ」として競技かるたでも重要な一首です。
覚え方のコツ:一字決まり「せ」。川の激流で岩に当たって分かれた水が再び合流するように、いつか再会したいという恋心です。
4首目:第9番 小野小町
花の色は うつりにけりな いたづらに
わが身世にふる ながめせしまに
意味:桜の花の色はすっかりあせてしまった。むなしく私が恋や世間での暮らしに思い悩み、ぼんやりと長雨を眺めている間に。
選んだ理由:小野小町の歌。世界三大美女の一人とされる小野小町の、花と自分を重ねた切ない名歌です。
覚え方のコツ:「花の色は移りにけりな」=美しい花が色あせた=自分の美しさも衰えた、という二重の意味を理解すると覚えやすいです。
5首目:第33番 紀友則
ひさかたの 光のどけき 春の日に
しづ心なく 花の散るらむ
意味:日の光がこんなにものどかな春の日に、どうして桜の花ばかりは落ち着いた心もなく散り急いでいるのだろうか。
選んだ理由:紀友則の桜の歌。「久方の光のどけき春の日に」という美しい響きで人気の高い一首です。
覚え方のコツ:「のどかな春の日なのに、なぜ桜は散り急ぐのか」という嘆き。春の穏やかさと桜の散る対比がポイントです。
6首目:第7番 安倍仲麿
天の原 ふりさけ見れば 春日なる
三笠の山に 出でし月かも
意味:大空を遥か見渡してみると、月が出ている。あの月は、故郷の春日にある三笠山に出ていた月と同じ月なのだなあ。
選んだ理由:安倍仲麿が遣唐使として中国にいた時、望郷の念を込めて詠んだ歌。月を見て故郷を思う感動的な一首です。
覚え方のコツ:「天の原→ふりさけ見れば→春日なる三笠の山に出でし月」。中国から見た月が、奈良・春日の山に出た月と同じだという壮大なスケールです。
7首目:第6番 中納言家持
かささぎの 渡せる橋に おく霜の
白きを見れば 夜ぞふけにける
意味:天の川にかささぎが架けたという橋に置いた霜が白いのを見ると、夜もずいぶん更けたのだなあと感じる。
選んだ理由:中納言家持(大伴家持)の歌。かささぎの橋という七夕伝説を交えた幻想的な冬の歌です。
覚え方のコツ:「かささぎの橋」は七夕に織姫と彦星が渡る橋。その橋に霜が降りて白く輝く=冬の夜空が更けていく情景です。
8首目:第81番 後徳大寺左大臣
ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば
ただ有明の 月ぞ残れる
意味:ほととぎすが鳴いた方角を眺めると、姿は見えず、ただ有明の月が空に残っているだけであった。
選んだ理由:後徳大寺左大臣の歌。ホトトギスの声を聞こうとしたら、空に月だけが残っていたという風流な一首です。
覚え方のコツ:一字決まり「ほ」。ほととぎす→鳴きつる方を→ながむれば→ただ有明の月ぞ残れる。聞こえたはずの声の主はもういない余韻です。
9首目:第57番 紫式部
めぐりあひて 見しやそれとも 分かぬ間に
雲隠れにし 夜半の月かな
意味:久しぶりにめぐり逢ったのに、それがあなたかどうか見分けがつかないほどのわずかな間に、雲に隠れてしまった夜中の月のように、あなたは帰ってしまいましたね。
選んだ理由:紫式部の歌。「めぐりあひて」で始まる、久しぶりの再会と別れを月に重ねた名歌です。
覚え方のコツ:一字決まり「め」。「巡り会えたのに、あなたがあなただと分かる前に雲に隠れた月のように別れてしまった」という切なさです。
10首目:第56番 和泉式部
あらざらむ この世のほかの 思ひ出に
今ひとたびの 逢ふこともがな
意味:私はもうすぐ死んでしまうでしょう。あの世への思い出として、せめてもう一度だけお逢いしたいものです。
選んだ理由:和泉式部の恋の歌。「あらざらむこの世のほかの思ひ出に」という切実な恋心が胸を打つ一首です。
覚え方のコツ:「もうすぐ死ぬであろう私の、あの世への思い出に、もう一度だけ会いたい」。命がけの恋の歌として強く印象に残ります。
10首覚えたら次のステップへ
初心者が百人一首を覚えるコツ
まず少数から始める
いきなり100首全てを覚えようとすると挫折しがちです。まずはこの10首を確実に覚えることを目標にしましょう。10首覚えれば、かるた遊びでも「知っている歌」が出てくるようになり、楽しさが倍増します。
意味を理解して覚える
音だけで丸暗記するよりも、歌の意味や情景を理解して覚える方が記憶に残りやすくなります。「どんな場面で、どんな気持ちで詠んだのか」をイメージしながら覚えましょう。当サイトの百人一首一覧では、全100首の現代語訳と超現代語訳を掲載しています。
毎日少しずつ繰り返す
記憶の定着には繰り返しが重要です。一度に長時間勉強するよりも、毎日5分でも札流しで復習する方が効果的です。通勤・通学の時間を活用して、スキマ時間に練習しましょう。