💭 人生・無常の歌
人生の儚さ、世の無常...深い思索を詠んだ歌
全9首
百人一首の人生・無常の歌は約9首。人生の儚さ、世の中の移ろいやすさ、老いへの嘆きなど、深い思索が込められた歌が集められています。
第73番・前権中納言匡房の「高砂の 尾上の桜 咲きにけり」は、遠くの山の桜が咲いたという情景から、人生の盛りが過ぎゆくことへの感慨を詠んでいます。
第84番・藤原清輔朝臣の「ながらへば またこのごろや しのばれむ」は、今のこの辛い時期も、後から振り返れば懐かしく思うのだろうかという、人生の不思議さを詠んだ歌です。
第95番・前大僧正慈円の「おほけなく うき世の民に おほふかな」は、仏教的な慈悲の精神から民衆を思いやる崇高な歌です。
これらの歌には仏教思想の影響が色濃く見られます。平安時代後期から鎌倉時代にかけて、末法思想の広がりとともに無常観が深まり、多くの歌人が人生の儚さを詠むようになりました。
1000年前の人々が抱いた人生への思いは、現代を生きる私たちにも深く響くものがあります。
人生・無常の歌一覧
滝の音は 絶えて久しく なりぬれど
名こそ流れて なほ聞こえけれ
(大覚寺の)滝の水音が聞こえなくなってから長い年月が経ってしまったが、その名声だけは流れ伝わって、今でも聞こえていることだ。
超現代語訳あの有名な滝、もう枯れちゃったらしいけど、噂だけはめっちゃ聞くよね。「昔はすごかった」って伝説になってる感じ? インフルエンサーの引退後みたい。
あらざらむ この世のほかの 思ひ出に
今ひとたびの 逢ふこともがな
私はもうすぐ死んでしまうでしょう。あの世への思い出として、せめてもう一度だけお逢いしたいものです。
超現代語訳もう私死にそうだから、最後のお願い聞いて。冥土の土産にもう一回デートして! それだけでいいの。イケメンな君の顔見てから死にたいの!
心にも あらでうき世に ながらへば
恋しかるべき 夜半の月かな
心ならずも、このつらい世の中に生き長らえたならば、きっと今夜のこの美しい月を恋しく思い出すことだろうなあ。
超現代語訳死にたいくらい辛いけど、もし生き延びちゃったら、今夜のこの月を見て「あの頃は若かったな」とか思う日が来るのかな。月だけは綺麗でムカつくわ。
高砂の 尾の上の桜 咲きにけり
外山の霞 立たずもあらなむ
(遠くの)高い山の峰の桜が咲いたのだなあ。里に近い山の霞よ、どうか立たないでおくれ。(桜が見えなくなってしまうから。)
超現代語訳やっと山桜が咲いたのに、霞が邪魔で見えないんですけど! ちょっとどいてくれない? こっちは花見の準備万端なんだから、美しい景色を隠さんでくれ。
契りおきし させもが露を 命にて
あはれ今年の 秋もいぬめり
「恵みを与えよう」と約束してくださったお言葉を頼りにして生きてきましたが、むなしく今年の秋も過ぎていってしまうようです。
超現代語訳「絶対昇進させる」って約束したじゃん! それ信じて頑張ってきたのに、今年もスルー? 期待させるだけさせて放置とか、パワハラ上司かよ。
ながらへば またこのごろや しのばれむ
憂しと見し世ぞ 今は恋しき
生きながらえていたなら、つらいと思っている今のことも懐かしく思い出されるのだろうか。あれほどつらいと思った昔のことが、今では恋しく思い出されるように。
超現代語訳「今が一番キツイ」とか思ってるけど、どうせ数年後には「あの頃は楽しかった」とか言うんでしょ? 過去美化フィルターって最強じゃない?
世の中は 常にもがもな 渚こぐ
あまの小舟の 綱手かなしも
世の中はいつも変わらないであってほしいものだなあ。渚を漕いでゆく漁師の小舟が、網手で引かれている様子がしみじみと心惹かれるように。
超現代語訳この平和な景色、一生続いてほしいわ〜。漁師さんが舟引いてるの見てるだけで癒やされる。何も変わらないで、このまま時が止まればいいのに。
おほけなく うき世の民に おほふかな
わがたつそまに 墨染の袖
身の程知らずなことだと思いますが、このつらい世の中を生きる人々の全体を包み込んであげたいのです。(比叡山に住み始めた)私の墨染の袖で。
超現代語訳私なんかがおこがましいけど、世の中の悩める人全員守ってあげたいんだよね。私の袖でよかったら、みんなまとめて包み込んであげるよ! 慈悲の心ハンパないしょ?
花さそふ 嵐の庭の 雪ならで
ふりゆくものは わが身なりけり
桜の花を誘って散らす嵐が吹く庭では、雪のように花が降っている。いや、古りゆく(年老いていく)ものは、花ではなくて我が身であったよ。
超現代語訳桜吹雪が雪みたい。で、気づいちゃったんだけど、散ってるのは桜じゃなくて私の若さじゃん? 歳取るの早すぎ。私の全盛期、どこで散った?
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