🍁 秋の歌
紅葉、月、露、秋風...秋の情趣を詠んだ歌
全18首
001番
天智天皇
秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ
わが衣手は 露にぬれつつ
005番
猿丸大夫
奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の
声きく時ぞ 秋は悲しき
017番
在原業平朝臣
ちはやぶる 神代もきかず 竜田川
からくれなゐに 水くくるとは
022番
文屋康秀
吹くからに 秋の草木の しをるれば
むべ山風を 嵐といふらむ
023番
大江千里
月見れば 千々にものこそ 悲しけれ
わが身一つの 秋にはあらねど
026番
貞信公
小倉山 峰の紅葉葉 心あらば
今ひとたびの みゆき待たなむ
029番
凡河内躬恒
心あてに 折らばや折らむ 初霜の
置きまどはせる 白菊の花
032番
春道列樹
山川に 風のかけたる しがらみは
流れもあへぬ 紅葉なりけり
037番
文屋朝康
白露に 風の吹きしく 秋の野は
つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
047番
恵慶法師
八重むぐら しげれる宿の さびしきに
人こそ見えね 秋は来にけり
069番
能因法師
嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は
竜田の川の 錦なりけり
070番
良暹法師
さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば
いづくも同じ 秋の夕暮れ
071番
大納言経信
夕されば 門田の稲葉 おとづれて
芦のまろやに 秋風ぞ吹く
079番
左京大夫顕輔
秋風に たなびく雲の 絶え間より
もれ出づる月の 影のさやけさ
083番
皇太后宮大夫俊成
世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る
山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる
087番
寂蓮法師
村雨の 露もまだひぬ まきの葉に
霧立ちのぼる 秋の夕暮れ
091番
後京極摂政前太政大臣
きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに
衣かたしき ひとりかも寝む
094番
参議雅経
み吉野の 山の秋風 さ夜ふけて
ふるさと寒く 衣打つなり